2015年02月08日
神の仕業。
こんばんは!
りかです。
「 シェフの体調が優れない日は忙しい 」
3年ラ・テッラにいますが、かなりの高確率(笑)
最初は可哀相だなぁ・・・とばかり思っていましたが
今では哀れむ前に気合が入ります←
ちなみに私が体調悪いと暇になる。・・・神?
本日はよくお召し上がりになるお客様のオンパレードでした☆
*ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ*
90過ぎてもこれとお酒飲めるって、羨ましい・・・!!
追記
昨日、完成形を撮れなかったアニョロッティ
今日はバッチリ撮りました☆
昨日は詳しく書きませんでしたが、アニョロッティ・ダル・プリンは
タヤリンに並ぶ、ピエモンテの代表的なパスタ料理。
ラ・テッラでは牛・豚・うさぎ・ほうれん草・リゾットを詰め物に使っています。
と、ここで面白い記事を見つけました。
ちょっと長いですが、どうぞ・・・
~ * ~ * ~ * ~
ピエモンテの伝統的なプリモピアットといえば、
タヤリン(卵をたっぷり使った平打ち細麺のパスタ)や
アニョロッティ・ダル・プリン(ラビオリをコロンと立体的な形にした詰め物のパスタ)がある。
ちなみに、アニョロッティは「…・ダル・プリン」「…・デル・プリン」「…・ディ・プリン」、
何にも挟まず「アニョロッティ・プリン」と人や地域で言い方が違ったりするようだ。
この2アイテムはピエモンテ州内ならどの店のメニューにも載っているが、
やはり地域と店によって微妙に、あるいは劇的にことごとく違う。
作り手の数だけタヤリンやアニョロッティ・ダル・プリンがあり、それぞれに歴史があり、
シェフの誇りがあるのだ。
私はタヤリンが大好きなのだが(多いなあ、大好きが)、
この取材旅行ではアニョロッティ・ダル・プリンにハマッてしまった。
なんだろう、このおいしさ(笑)。
サルサはバターとセージが基本のシンプルなものが多く、
これにチーズや、時期には白トリュフを削りかける。
肉とホウレン草、卵を合わせたミンチ状の詰め物がまたうまい。
肉は家庭なら残りものやサルシッチャなどで作るそうだけれど、
リストランテでは豚、仔牛、うさぎで作る店もあったし、それにチーズを加える店もある。
茹でたてはつるっとしていて、生地は優しくピロロンッとしてるのでお腹にもたれない。
不揃いなルックスもたまらなく可愛い。
ピエモンテで修業するとなると「肉料理を覚えたい」と言うコックが圧倒的に多かったけど、
案外、パスタも奥深い。
現にキッチンで、コックにセコンドのポジションは渡しても、
パスタの仕事は絶対に渡さないというシェフは結構いるのだそうだ。
仮に教える気があったとしても、シェフ達は粉や卵の分量をいちいち量るわけでなく、
タイマーで時間を区切ってこねるわけでもなく、
自身が長年続けて手のひらや指先に染みこんだ要領で作っているのだから
教えようがないということもあるのだろうか。
その技術はカンというより、体が勝手にそうしてしまうというような、クセに近いものかもしれない。
コックがそれをきちんと覚えるには、たぶん年単位でそこに居なければならないのだろう。
技術がどうのより以前に、まずシェフが「教えたい人かどうか」から始まるのだから、
じっくり人間関係を育んでいかなければならない。
という訳で東京で、アニョロッティ・ダル・プリンがあるとつい頼んでしまう。
日本では日本なりに違う解釈があったりして、中にホロホロ鶏を詰めている店もあったし、
フォアグラという店もあった。それはまたそれで、楽しかったりもする。
だが思わず絶句した店が一軒あった。
まず目の前に現れた時点で、狐につままれた。
今流行のモダンで白い大皿の真ん中にうやうやしく鎮座したそれは、たった8粒。
数える私も私だが、なんたってそれは一皿2千円!
一瞬、本当にコレがアレなのかと上下左右、前後ろから確かめてしまった。
詰め物は鴨肉。鴨は好きだしおいしいんだけど、何かが違う。
例えるなら別れた恋人が激ヤセしたような、なんとも別人の顔をして……。
そう、イタリアの匂いがしないのだ。
イタリアと日本では食材が違う、地価が違う、家賃が違う、人件費が違う。
わかってるけど、作り手の心意気まで違ってしまうのはすごく淋しい。
シェフの仕事をじっくりしっかり見て、毎日作って体で覚えたコックなら、良心に誓って絶対にできない皿だろう。
今、日本にはイタリア料理のリチェッタ(レシピ)を再現できるコックはたくさんいるが、
そのスピリットを伝えられるコックはそんなに多くない。
理想論でなく方法論として、スローな道を選ぶことは今こそ必要なのではないかと
アニョロッティ・ダル・プリンに思うこの頃だ。
*参照HP*
http://www.ict-ict.com/essay/essay509.html