読売テッラ 約vol.22

ラテッラ

2011年04月01日 22:28

読売テッラ 約vol.22


~まかない~



山菜、ブロッコリー、菜の花、しば海老、この温かい気温と空気を含め


春の訪れはすぐそこ・・のはずだろう。



これは七隈の隠れたイタリアンレストランで働くソムリエの


数奇な人生を物語る日記である。




2010年厄年から難を逃れた今年26歳のソムリエ



店内にある5~6段ほどの階段を1日に




何十往復も繰り返し、自ら椎間板をいじめる




彼はワインと客をこよなく愛し



時に自らそのワインに溺れる事もある。


寡黙なシェフと二人で切り盛りするレストランでは


こういった一面は決して店の外に出ることはない。



そして彼のメンタルは決して強くはない・・



飴細工のごとくジメジメした湿気のようなプレッシャーに弱く



姑問題などの話はとても心を打たれるようだ・・



そして今日もまかないで彼は



「芝海老」を使い




シンプルなアラビアータソースに芝海老のフリッタを添えたパスタを


構想の下に作っていた


芝海老は見た目通り小ささな身体に


海老そのままの旨味を閉じ込めており


特に殻ごと食べると食感、旨味がいい。


そしてもう一つ


彼はキッチンに立つと勝手に「バンビ~ノ」の主人公に


なりきり、やたら博多弁を使う癖があった。


「ん~よか香りばい・・海老の生命力はハンパなかっ!」



シェフ「・・・」



「香取しゃん!もう少しばい!」



など世界に入り込み



出来上がりは案外普通な事をシェフは隠し続けたという。



続く・・・・。






読売テッラ 約vol.22


最近ではめっきりご無沙汰になってしまったこのシリーズをまた

書いていこうと思います。

ご愛読をお願いします・・murakami



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